2015年2月25日水曜日

岩手川井道又の菊寿石

30~40年ほど前の話、水石鑑賞という分野で紹介された川井の菊花石。
蛇紋岩の黒い母石に、黄金色の放射状結晶とした頑火輝石が菊の花に見えます。
他の産地のものと区別するために菊・寿・石 (花ではなく寿)と地元の方が名称しています。


川井出身の知人に採掘場所について訊ねたところ、
彼のいとこの私有地山林にあることがわかった。
そのいとこの方に案内していただいた。


かつて木を伐りだしてから何十年も整備されない山道を歩くこと40分。
沢に転がる菊寿石を発見。
あちらこちらに発見。
いよいよ産出地に来た!という興奮をおぼえました。
沢をまたいでその先に菊寿岩盤露頭とおびただしい菊寿石のがれき。
宝の山にわけいった気分でした。
30年ほど前、業者が採掘料を支払って菊寿石を削りだした跡でした。
その後、石鑑賞ブームが去り忘れ去られた場所でした。





露頭した岩盤

中央部に菊花模様が見られます。


がれきにも菊寿石

あこがれの石がごろごろ


下山後に地元の名士宅におじゃまして 菊寿石を拝見

この方が所有する別の山から産した金色菊花の最大結晶


蛇紋岩は加工しやすい、荒削り後に紙やすりで仕上げることが出来る

すずり、ひょうたんなどに磨きあげたものがありました

石好きの人には飾って楽しむ喜びもある

わたしも許可を得ていただいた数個の石を加工してみることにする

出来が良ければ過疎の村の特産品として村おこしにならないかな。

道又には源義経の北行き伝説もある

道又の山の反対側には巣金という集落があるここにも菊寿石が産してもおかしくない

金色菊花結晶が巣金ではないかと推測します

早池峰山から下る薬師川・小国川にも良い石が拾えるらしい渓流釣りもいい

古民家を借りて縄文生活を味わう釣り小屋宿をやれば都会から人が訪れそうだ。



後日、川井に行った際に道又の菊寿石について知っている方からお話を聞くことができました

それは50年程前に石綿を探しにきた業者が発見したものだったらしい

現在では肺がん・中皮腫の誘因となるためほとんど使用禁止になっているが、かつては

建設・工業用などで非常に多くの優れた特性をもち、かつ安価な「奇跡の鉱物」として世界中で

利用されていた

蛇紋石系の石綿はMg3Si2O5(OH)4クリソタイルといい菊寿石(頑火輝石エンスタタイト)の

Mg2Si2O6に似ている。

巣金という場所では実際に金をみつけた人がいたというお話も聞いた